相模女子大学 メディア情報学科

お知らせ

東京都立町田総合高等学校のIBL Dayを実施しました

メディア情報学科は2024年10月30日に東京都立町田総合高等学校のIBL Dayを実施しました。
IBLとは、Inquiry Based Learning(探究学習)の略字で、各大学の実際の研究に触れることで、「多面的な見方・考え方の獲得」「探究プロセスの習得」を獲得することを目的とます。
今年は2年生17名(4班)が参加し、本学科の金相賢講師によって「生成AIとコンテンツ制作の未来について」講義が行われました。以下の4つのテーマに対して、各班が事前に調べたことを発表し、講師やゼミ生を交えて意見を交わしました。

  1. コンテンツ制作とは何か。
  2. 自分のアイディアを生成AIで思い通りに表現するのは可能か。
  3. 生成AIの問題点(著作権侵害やフェイク画像など)を排除することは可能か。
  4. 生成AIによって人間の仕事は奪われるのか。

 

特に3、4のテーマについて学生からの懸念も多く、事前にとったアンケートでも今後の学校における生成AIの利活用について75%の生徒が「一部制限を設けるべき」と答えています。

午後にはテーマ2の実習を行いました。生徒全員に1台ずつiPadが配られ、画像生成AIシステムの一つである「Stable Diffusion 2.1 Demo」を使用し、プロンプトを工夫しながら課題の画像を生成しました。初級編では、「猫」と著作権が消滅したアーティスト名でプロンプトを作成し、アート作品のような猫を生成しました。中級編では、一定のルールに沿ってプロンプトを作成し、スタイルや背景を変えながらより複雑な画像生成にトライしました。高級編としては、人のピースサインの画像からプロンプトを逆算して作成する課題に挑みましたが、教室に爆笑や悲鳴が上がるなどちょっとしたお騒ぎになりました。実は今回使用した生成AIは少しバージョンが古くて、手のデータが少ないのでうまく生成されないことが知られています。そのために人間のとは思わない変形した指が出るなどエラーが出やすかったです。このように生成AIは学習データがとても重要で、生成AI開発以前よりも人間が作る独創的で良質なデータは重要になります。高校生たちは学生時代に生成AIを使った第1世代として可能性と課題に触れることができる1日となりました。